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東京理科大.2010年度 卒業設計 講評会
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100理科大.卒業設計.講評会101.1理科大.卒業設計.講評会101.3理科大.卒業設計.講評会

理科大で卒業設計を、講評&採点しました。

今年度は大学に無理を言って、
スタディ途中も月一回ペースでエスキース指導させていただいたので、
どの作品も内容が分かっているもの。
12月、最後のエスキースから1ヵ月。今日の結果が楽しみでした。
http://plastake.jugem.jp/?day=20101222

全体には、ラストスパートでピントがボケてしまった作品が目についた。失速とかではなく、プログラムを忠実に当て嵌めることを重視し過ぎて、コンセプト(やりたかったこと)の最適な形がぶれてしまった印象です。建築を真面目に考えることは良いこと。と言うか、その事は不可欠です。だけど、コンセプト(考え方)の最良の「かたち」を追求することも、真面目な建築のプロセスだし、「かたち」を追求する視点がなかったら、建築は余りにも不毛です。  私は学生のみんなに、完璧な結果を求めてはいません。それよりも、考えたこと(コンセプト)を活き活きと表現するスタディが見たいのです。  卒業設計が終わっても、例えどんな立場から建築に関わろうと、「造ること」「スタディ」はいろいろな形となって、ずーっと続いていきます。そのことを意識していきましょう。  真面目であることがまずは基本。真面目なみなさんに期待しています。 
そしてみなさんにはこの事も。 
「ひとりよがり」は建築に成っていかない。そしてまたその逆も。「ひとりよがり」をスタディし続けることが、新しい建築の形になることがある。だからスタディを続けていくことは意味があるのです。


設計の発表スタイルは学校によってさまざま。固定された一ヶ所で順番に掲示して発表。もあれば、決められた場所に掲示して、評価する側が移動しながら発表を聞く。もあります。理科大は後者。理科大でいつも感心させられるのは、掲示壁の作り方。背の高い2枚重ね段ボールを両側から机で押さえているだけ。単純な機構ですがきちんと掲示壁になります。段ボールの上端をクリップで留めればバッチリ。
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この日、気になった作品は、



石井 彩さん 「RE GLABLE - 家族の向こう側」
下町の住環境再生提案です。下町特有のコミュニティに着目して、生活の中のパブリック→セミパブリック→プライベートの関係性を新しいかたちで再構成しています。その考え方が、3枚の壁(境界面?文節面?)と、持ち上げられたボックス(3っつの意味を持つスペース)になっていました。素直にコンセプトを表わそうとしていて、そのことが建築の強さになっています。新しいことへのリアリティがしっかりしていて感心しました。「形」が下町の未来の住環境を現しています。力強い作品。
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各住戸のセミパブリックを「繋がったひとつ」にして、そのことで家族のプライベートスペースにもっと快適な関係を造ろうとしているのか?  このコンセプトではセミパブリックとパブリックの壁(境界面)が重要な意味をもちます。境界面がどのような形になるのか? どんな関係になるのか? この境界面が上手く作用すれば、「繋がったひとつのセミパブリック」にリアリティが見えてきます。
模型を見ると、四角い開口が開いた壁だけになっていました。これだとコンセプトの状況が提示されているだけに思えます。もっとスタディを重ねれば、コンセプトの最適な形が見えるかもしれませんね。
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こんな下町で生活してみたいと思いました。



竹田 和行さん 「まるい都市」
都市の中心部にも住宅街はある。下町はたくましく機能しています。そんな都市部の下町をリノベーションしたら、未来の形はどうなるのだろうか? 消えていくことと、残っていくことから、町の意味を考えていく提案。に見えました。「土地の所有区分」「建蔽率」「再生街区計画」... などの言葉がすっ飛んでしまうような提案ですが、町の機能、生活に纏わる事柄や場所で起こる問題が真面目に考えられていました。下町も、空中に浮かせてしまうと大胆な発想を下地に出来るのだと感心しました。 だけど、私がこの作品で気になったのは、結果ではなく作られるプロセスでした。建築を考えていくパラメーターというか、決定の評価軸が新鮮です。 この提案が良い?悪い?も、建築の設計ですから、もちろん重要ですが、この提案では、考えていることを忠実に形にする意志も大事ですよね。
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想定敷地を50m角に分割して、並列にダイアグラム化して、道路のパターン、建築の配列、建蔽率?、などを分析しようとしている。 分析から見えてくることに着目している。
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計画した建築の「置かれ方?配列?パターン?」も、並列に並べられて、ダイアグラム化して、分析している。
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「断面の形式」が同じようにダイアグラム化して分析。
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「コンセプト」も並べてダイアグラムにしています。
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スタディで出た来たことを、ある法則で分割。並列に並べて。分析することから意味を見出そうとするのは、「結果有りき」ではなくプロセスから出てくる結果に意味を求めようとしているのでしょうか...
自分が考えていること自体を、自らプロファイリングしているようなスタディ。自分を確かめている?ように見えました。いや、竹田さんをそうプロファイリングしました。


原村 陽一さん 「SETOUCHI CENTRAL ISLAND - 修景と持続 - 」
瀬戸内海。昔から塩田で栄えてきて、今は衰退してしまった小島の、塩田の再生。そして再生から島を復興しようという提案です。エスキースでは、塩の精製を建築化しようと、巨大な塩田の建築立体に苦戦していました。それが12月最後のエスキース。今日の発表では塩田は地面に戻して、その鏡のような塩田から魅力的な形が頭を出していました。地下に張り巡らされた空間は、ところどころでトップライト。塩田の濃海水を透過する光でゆらゆらして面白そうです。ポコンと飛び出た建築の造形力を評価します。
少し残念なのは、塩田で蒸発し続けた濃海水を沸騰蒸発させて塩を作りだす場所が、地下に埋められてしまったこと。「機械化されたその部分は工場みたいなので、この設計には合わないので地下に埋没させた」と、言われてましたが。工場っぽいからデザインに合わないのではなく、その事も含めて、「塩が精製される場所」の計画です。のどかな塩田の風景に工場が違和感と思うのは、原村さんの個人的な感覚。コンセプト、設計、計画、デザイン... に忠実になってください。 「自分が考えたこと」の最適な形をスタディしましょう。
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そのほかにも、気になった作品、


山本 剛士さん 「田園と集落、集合住宅、そしてそこから生まれるもの。」
都市部で残地のように点在している農地の再生計画です。住環境との共生、農地のインフラ、水や肥料の循環、をキーワードにデザインされています。
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松本 悟志さん 「立ち上がる公園都市」
都市中心。ビル街区を建ち上がる公園緑地と捉えて立体化。そしてその立体はオフィス空間であって、緑地化された建築。都市の中の公園。
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井関 大介さん 「芝浦市場、新たなる東京の活力のために」
昨今、ニュースで言われている築地市場移転問題。移転地を芝浦埠頭に、計画された新しい市場。
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| 自転車 | 11:56 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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