2014.06.06 Friday
6月の海
私にとって「海」は夏の終わりに始まる。
照りつける太陽に8月の勢いはないが、真夏の喧騒、残像がまだ重なって見える9月。
荒々しい冬の波しぶき。恐怖も覚える地鳴りの波音を岩場の背後に感じると、何故か心が高鳴る。
6月の海は梅雨に入るまで。ほんのみじかい出来事だ。
それは終わってみて感じる、短かった真夏の海と似ている。
夏の海が嫌いではないけど、
波のリズムに揺られながら浮かんでいると心がほどけるけど、
人の数、ラジカセの音、肉を焼く臭いが、 海を感じる気持ちを沈めてしまう。
海は、小さな生物に見入り、砂浜を引き摺る波の音を聞き、大海原に包まれる場所だと思っているのです。
だから夏に海へ行かない。
三浦半島、いつもの葉山.一色海岸で、思わぬタイミングに出会いました。
大潮があるように、大引き潮でもあるのか?
海が引いた砂浜が広がっていました。
砂の波模様ってほんと綺麗。
小さな生き物があっちこっちで顔を出してる。
体長50センチの子供エイと追っ駆っこ。
ハゼの胸びれは大きくて、蝶々のように青く輝いていることを知った。
平目も赤ちゃんだとのんびり浮かんでいて、手でスイッとすくえる。
いつも行けない沖の岩は真っ黒で、近づいたら海栗でびっしり覆われていた。
引いている静かな波が楽器の音のようだった。
そこにいるみんなが広がったビーチを歩いている、6月の海。