2009.04.28 Tuesday
ツールを見てて思うこと 3 ツールじゃないけど
JUGEMテーマ:じてんしゃ全般
「ツールを見てて思うこと」 ちょっと時間があきましたが3回目。
ツールではないんですが、ちょっと前になりますが、
私てきには、かなり見応えあったので。
2007年.世界選手権でのベッティーニは凄かった。
ドイツ、シュトュットゥガルトでの世界選手権。
2連覇がかかったイタリアの根性の塊.パオロ.ベッティーニ。
結局、予想どうり2連覇するんですが、その勝ち方が...
まさに1人勝ち。ベッティーニ.対.全選手って感じでしたね。
1人でレースのシナリオを書き、演出し、主演まで。
このときのベッティーニ、ワンデーレースでは敵なし。
それでは、またまたしても無理矢理な紹介です。(かなり強引。)
(NHK.BS放送の映像。録画)
ドイツ.シュトュットゥガルトでのレースは、
19.1kmの周回コースを14周、267.4km。
前年に続き、2連覇がかかったイタリア.パオロ.ベッティーニが優勝候補です。
スタート前。 リラックスしたイタリア軍団。 余裕をみせるベッティーニ。
レースはいきなり最終14周目です。
ダニノ.レベッリンとアレクサンドル.コロブネフが2人で先行逃げ。
すでに250kmを走っているので、逃げるのもかなりしんどそう。
集団はひとかたまりとなって2人の逃げを追う。
集団がすぐ背後に迫る。そして2人は飲み込まれる。
逃げを吸収した集団から、こんどは15人がアタック。
集団から逃げたいベッティーニが14人を引っ張る。周りは疲労困憊ぎみ。
ここでなんとか逃げたいベッティーニだが、1人では逃げられない...
しきりに周りを見て、みんなの疲労度を測っている。
アタックを何度も仕掛けて周りを脱落させていく、いつもの勝ちパターン。
強くなくてはできません。 このときのベッティーニはほんとうに凄い!
ベッティーニ再三のアタック。たまらず1人2人と脱落していく。15人はばらばらに。
残った5人でさらに逃げたいベッティーニ。 ヘロヘロのみんなに激をとばす!
先頭、フランク.シュレックのライディングからもその疲労度がわかりますね。
後ろを気にしつつ、とにかく5人で逃げる。 逃げたい。
逃げる5人。
ベッティーニ引っ張る。 背後には追走集団が迫る。
最大のハイライトシーン。
迫りくる後ろ。 ヘロヘロの逃げ4人に激をとばすベッティーニ。
ベッティーニ: 「オイッ!何やってんだっ! 後ろが迫ってんだぞっ!
三味線なんか引くなよ。 前で引っ張れってっ!」
エバンス: 「そんなこと言ったって... 無理っす。 もう足ないっす。」
シューマッハー:「だって... 兄貴ー。
ここで前引いても、どうせゴールでぶち抜くんでしょ?... 」
シュレック: 「一生懸命やってますよー。」
コロブネフ: 「... 」
なんか、みんなの会話が聞こえてきそうな映像でしたね。
ゴール間近。 なんとか持ちこたえて、追走集団をちぎった5人は、
パオロ.ベッティーニ。 アレクサンドル.コロブネフ。 シュテファン.シューマッハー。
フランク.シュレック。 カデル.エバンス。
最後の右コーナー! ここからゴールまでスプリント。
前から、コロブネフ、シューマッハー、ベッティーニ、エバンス、シュレック。
怒涛のスプリント!
コロブネフ、ベッティーニ、後ろにシューマッハー、シュレック、エバンス。
260kmも全力で走ってきて、最後に70km近いスピードでもがけるなんて。
世界のトッププロはやっぱり凄いです。
みんな渾身のもがき! 限界! シューマッハーがあんなに歯を食いしばってる。
ベッティーニー! ゴーーール!!! コロブネフ、シューマッハー、悔しそう。
ライフルを撃つジェスチャーの有名なシーン。
実は、レース前に「ベッティーニ.ドーピング疑惑」が報道されて、
ベッティーニは猛烈に抗議。
あのライフルは疑惑をかけた連中に向けていたんですね。
見たかっ! この野郎ーっ! オレはドーピングなんかしなくても強いんだーっ!
表彰台で自ら存在をアッピール。 いつものベッティーニおじさん。
2007世界戦は、 1位.パオロ.ベッティーニ、
2位.アレクサンドル.コロブネフ、 3位.シュテファン.シューマッハー。
ベッティーニの強さは際立ってました。
世界戦のシナリオを書き、演出し、主演までやってしまう。 すごいなぁ...
今回のレポート「ツールを見てて思うこと 3」。
ベッティーニはヒールではありませんが、他を圧倒する強さは屹立した存在です。
前のレポートで紹介した、リカルド.リッコやロビー.マクユーイン、
また、ヒールではありませんが、ツール7連覇したランス.アームストロング。等々...
他を寄せ付けない強さ、際立つ個性、輝くスーパースター、妖しい魅力のヒール、
彼らの存在が自転車レースをおもしろくさせる。
彼らを打ち負かすために、他のチームはシナリオをつくり。
ぶつかりあうシナリオが、
自転車レースをスポーツドキュメントからドラマへと変えているんですね