「新しい試み」 東海大3年前期.建築設計論1・同演習 4/28
JUGEMテーマ:建築
 
3回目授業。2回目で「自分の考えていることは、まだ課題の解答へ繋がっていかない」と、気づいた学生も多かったと想像できます。間違いが解かれば考えは変わる。1週間でみんなそれなりにスタディが進みました。提出されたモデルやスケッチはまだまだ暗中模索ですが、それぞれの方向を向いていました。
「住環境スタジオ」
かたちから建築を解けない課題設定で、だからスタディに困惑や迷いが現れていました。でも、生活のプランやアクティビティで答えを探そうとしていることは良いことです。今日もギリギリまでのヒントや考えられる可能性をたくさん話しました。今のスタディを粘り強く論理的に続けてほしい。
「低層建築スタジオ」「多層建築スタジオ」
闇雲にかたちにしていた2回目スタディが、3回目は自分の考えていることにピントを合わせ初めていました。

建築は形です。だから建物が立っている姿や見えている形を想像することは大事です。でも、建築はアクティビティがカタチになったモノとも言えます。アクティビティ、空間がどんな関係になっているのか?その関係の図がアクティビティをもっと良い方向へ変化させられないか?...そんなスタディも重要です。設計のプロセスに欠かせないこと。建物の形を想像しないで建築の中のことを考えて、その結果そのもののカタチを見てみるスタディもしてほしい。もしかしたらそれは、「建物の形」は変でも「建築のカタチ」はカッコイイかもです。

私が気になったスタディ
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「新しい試み」 東海大3年前期.建築設計論1・同演習 4/21
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「新しい試み」、2回目授業。初めの1週間で、学生は課題に解答するべく考え方を整理します。脳の準備段階。提出された初期モデルやスケッチは「可能性が見える」ものもあれば「暗中模索段階」のものも。
私たちは、見るべき方向性、スタディを起動させるためのヒント、可能性を説明します。


2回目授業での3スタジオの印象

住環境スタジオ
予想していた通り、少し難しい課題設定が学生に高いハードルとなっています。スタディを始めるきっかけになるようなヒントをたくさん話しました。3回目までは意識的に学生を引っ張っていきます。数名が授業後も居残り、設計をスタートさせようと意欲的に再エスキスを希望。彼らの建築のスイッチを入れてあげたいです。

多層建築スタジオ
床を積み上げて空間を上下に関係させるスタディよりも、建築ボリュームの形の試作が多い印象でした。住環境と同じ、予想の範囲内と言えば、そう。ただ、ボリュームのスタディは学生の考えていることがかたちになっていました。指導で積極的に話されていた「もっと内部の関係にも集中してカタチにしなさい」。そのことを理解してくれればスタートを切れるでしょうね。

低層建築スタジオ
私が偵察(?)した時が終わり時間間際だったので全体の印象。バリエーションに富んだモデルが並んでいて良い印象でした。私は、低層建築でも最高3〜4階ぐらいの条件でも良いと思っていましたが、EVの無い最高2階までの条件が(地下は可)、地面との関係から空間に繋がっていくことを考えやすかったのでしょう。空間のイメージと設計が関連的に進みそうです。

3スタジオの差異を強調させる書き方をしましたが、「どのスタジオもこれからが大変」と予想されます。学生も私たちもやりがいがありそうです。

3スタジオの課題内容は、エスキスが進むであろう次回に書きます。


各教師の紹介も兼ねて、課題の参考になるレクチャーをしました。
山縣先生の紹介は私たちにも貴重なものでした。
山縣洋さんは、竹中工務店設計部時代にレム.コールハース/OMAに行かれてました。その時に、あの有名な「ボルドーの家」を担当され、レクチャーでは、コールハースや山縣さんたちが何を考えていたのか。スタディしてゆく過程を説明されて、大変面白かった。建物そのものは固定された動かない建築ですが、「車椅子のオーナー」がリフトする床で上下に移動すると、まるで空間が変化するような設定は素晴らしい。レクチャーの中でコールハースを「レム」と呼ばれていましたが、私の知る限り、そう呼ぶのは伊東豊雄さんと山縣さんぐらいですね。カッコイイです。
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構造概念

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「新しい試み」スタート 東海大3年前期.建築設計論1・同演習
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今年は吉松秀樹教授がサバティカルなので、私が授業責任者として設計を指導します。
1年間。せっかくなので「新しい試み」で、たとえ小さなことでも、現状の問題が変わる兆しを見たいと思っています。

ここ数年、ほとんどの大学で学生の設計.計画授業離れがある。
卒業設計をおこなう学生は10〜20%と言う現状です。
建築を学ぶ学生は、さまざまな分野.方向へ進んで行きます。設計はそれらの一部分でしかない。それでも、「計画すること.設計できること」は建築のどの分野であろうとも基本であり、理念で、大事な考え方なのです。大学4年間は設計.計画のトレーニングが必須。
学生が「計画すること.設計できること」を建築学の基本と感じてほしい。

前期授業ですが卒業設計までを視野に入れて「新しい試み」を考えました。

スタジオ制授業を導入します。
基本的テーマは設定されていて、課題の詳細を担当教員が作り指導していく、ちょっと変則的なスタジオです。
ただし、3年前期では今までも教育的な課題設定でした。その課題が示す意味はとても良いと思っていて、だから基本は継続させます。それは、課題を建築のタイプ別に考えることよりも(例えば、公共建築とかオフィスとか図書館とか...)、都市や都市周辺部での大きい建築や場所の、高いか低いか(低層建築、高層建築)。それはどのような違いがあり、都市との関係や影響は何なのか?、未来をスタディする2課題です。
それと、
近年、多くの大学で、卒業設計に住環境や住宅のテーマが見られます。また、東海大は多くの学生が建築関連に進んで行き、住宅関連への進出も多数。そして、3年時も住宅の設計を望む学生がいます。それなら、敢えて3〜4年時でも住環境のトレーニングをさせて「住環境のスペシャリスト」を正しく指導していこう。と、考えました。

「低層建築スタジオ」「多層建築スタジオ」「住環境スタジオ」の3スタジオで、学生の希望で振り分けます。学生は第一課題と第二課題で違うスタジオ選択をします。担当教員は2課題でシャッフルされます。そして、3スタジオが無関係に指導していくのではなく、ある程度の関連をさせるために、低層、多層は同じ敷地を設定(できれば住環境も同じ敷地にしたい)。きっと学生は、同じ場所でも建築や空間が低いか高いかで、その違いを学べます。都市で近未来をデザインするためには、考えるべき大事なことです。

そんなこんなで、授業方向性を議論し、時間ぎりぎりまで課題設定を模索して、何とか「新しい試み」はスタートしました。

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「低層建築スタジオ」 
都市や都市周辺部で、街の核となるような場所を計画するスタジオです。地面に近い空間は、街やストリートがそのまま繋がったような公共のスペースとなる。それは街の一部、公園のような場所、みんなのスペースとして人が集まるでしょう。街と一体となった、自分の空間のような「みんなの場所
」をデザインします。高層化されていく都市で、低い建築(場所)が持っているポテンシャルや街との関係は意味があります。

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「多層建築スタジオ」
床が積み重なることは、建築空間が上下に関係されていくことです。上へ上へと繋がっていく空間は魅力的です。超高層など大規模な建築は、単に「背の高い建物」の意味を超えて、小さな街、ミニ都市の可能性を持っています。建物というより「一つの空間システム」と言えます。空へ向かって上へ上へと繋がっていく「都市建築」をデザインします。高層建築は未来の風景に向けて立っています。

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「住環境スタジオ」
住宅はほぼ全ての人が毎日使っている。ある意味、慣習に染まった「住宅」を純粋に「建築」として考えるのは難しい。また、集まって住む場所にはコミュニティが生まれ、集合は社会に「顔」を見せます。近隣環境への配慮は重要。それら、住環境のカタチをデザインするスタジオです。人の寸法から街とのスケールまで。生活のプライバシーが、コミュニティや社会性と共存するとどんなカタチになるのでしょう。

古見 演良


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